Digital Iwago Iwago's Report

岩合さんが世界各地で撮影した写真レポート。Mapの見たい場所をクリックしてね。

Italy ミツバチ編 第3話 蜜蜂のことに、ずいぶん詳しくなってきた。

わずかティースプーン1杯の蜂蜜が、実は…。

ピエモンテ州カルーゾの養蜂家を訪ねにやって来た僕たちは、
巣箱にたまった蜂蜜を工場へ運ぶための作業を見た。
蜂蜜をとるには巣箱を工場へ持ちこまねばならないが、
その間、ミツバチを追い出す必要がある。
なんと、送風機が登場。巣板に風を吹きつけ、ミツバチを追い払うのだ。
工場に運ばれた巣箱は、巣板から余分な蜜蝋を取り払われ、
遠心分離器にかけられると、蜂蜜が下から流れ出てくる。

 

今年初めての、アカシアの蜂蜜の収穫だ。色は透明に近い。
一匹のミツバチが一生の間に集めることができる蜂蜜の量は、
わずかティースプーン1杯ほどだとか。
花と巣箱を3万回も往復しなければ集まらないという。
蜂蜜を味わうときは、働きもののミツバチに感謝しよう。
工場には、巨大なロウソクのようなものが置かれていた。
巣の外側をおおう蜜蝋だ。
これはタイヤメーカーに売られ、
チョークとして加工されているらしい。

 

なぜ、ピンクの花にしかミツバチが集まらない?

その後、僕たちは標高約1600mにある百花蜜がとれる花畑に行った。
百花蜜とは、いろいろな花の蜜でできた蜂蜜のことだ。
ピンク、黄色、白、ブルーと色とりどりの花で埋めつくされている。
「E-1」を構えながら観察していると、
ミツバチはピンクの花にしか行かない。
なぜなんだろう?
養蜂家のアンドレアに尋ねたら、
「ミツバチだって、おいしいものが好きなのさ」
と答えた。
どうやら今日は、ピンクの花の蜜が集め頃らしい。
2〜3日たつと、また花を変えるという。

またアオスタ渓谷ではヤギの放牧しているところを訪ねた。
本物のアルプスの少女(でも28才)が、ヤギと戯れている。
ヤギのチーズづくりを見せてもらい、
自家製のサラミや乾燥肉をご馳走になった。旨い。
ヤギのチーズは、蜂蜜をかけて食べるのだという。
カルーゾの町では、とあるお屋敷で、ネコの写真を撮った。
ナポリから来たナポリターナと呼ばれている種類だとか。

 

 

 

Italy ミツバチ編 第4話 取材が終わる頃、すっかり蜂蜜党に。

残念! フェラーリを楽しみにしてたのに

養蜂の撮影取材でイタリアを訪れている僕たちは、
ボローニャで蜂蜜工場を見学したあと、
フィレンツェ郊外にあるキャンティのワイナリーに案内された。
糸杉、オリーブ畑、ブドウ畑という
トスカーナ地方の典型的な光景が拡がっている。
ワイナリーの庭にネコがいた。
もちろん「E-1」を手にする。
実は、僕も、同行したパティシエも、大のクルマ好き。
この機会に、フェラーリの工場を見学しに、
モデナという町に行こうという話が急にまとまった。
ところがフェラーリを見るには半年前に予約しなければダメとのこと。
ここはぼくたち仕事の鬼と化す。
有名なバルサミコ博物館を見学することになった。

バルサミコは3種類のブドウを樽で発酵させてつくる。
年月とともに熟成が進んでいくが、
15年以上になると、突然変異のように旨くなるらしい。
それを過ぎたものを、
「バルサミコ・トラディショナーレ」といい、実に濃厚。
バニラのジェラートに、ほんの数滴かけたものを食べた。
僕とパティシエは思わず、顔を見合わせてしまった。
驚くほど、美味しかったのだ。

ミツバチって家畜なんだなあ…。

イタリアにはアグリツーリズモといって、
農業やその土地の暮らしを体験できる宿泊施設がある。
ボローニャでお世話になった蜂蜜工場がここでも
養蜂をやっているというので、副社長に連れていってもらった。
驚いたことに、彼が巣箱に近づいても、
ミツバチは全く飛ぼうとせず、平然としている。
彼はミツバチと約束でも交わしているらしい。
ミツバチって家畜なんだな、とつくづく思った。
女王蜂は目印に、背中に青いマークがつけられている。
彼は素手で巣板をつかんで、指で蜂蜜をすくい、ペロリとなめた。
それだけで、今日の蜜はどんな花なのか、わかるという。
僕もなめてみた。
彼と一緒にいると、ミツバチは全く攻撃してこない。
彼は熱心に、蜂蜜の講議をしてくれた。
イタリアの養蜂取材を終えた僕は、
いまやすっかり蜂蜜党である。