撮影取材記:モロッコ 前編

岩合さんが世界各地で撮影した動物たちの写真レポートです。国・地域別でご覧いただけます。



エジプトから帰ったあと、3週間近くモロッコへ行ってきました。今回も<キャメディアE-10(オリンパスのデジタルカメラ)>と<キャメディア3040(オリンパスのデジタルカメラ)>で家畜を撮るのが目的です。撮影地は、あの映画でお馴染みののカサブランカから東に向かって、アトラス山脈を横切り、マラケシュに戻ってくるというルート。カサブランカの空港に到着すると、どこからか紛れ込んだのか、入国審査のところでネコが出迎えてくれました。いろいろなとこに行ったけど、ネコが散歩してる空港なんて初めてだなあ。町や村の路上は、いろんな種類のニワトリが野放しの状態。いまの日本では、もうすっかり見られなくなった光景です。


アトラス山脈に向かう途中は、菜の花に似た黄色い花畑が一面に広がり、実にのどかでした。その花畑に羊や牛が放牧されているんですが、近づいても羊は、全く人を怖がる様子がない。モロッコの人たちは暮らしに余裕があるのかギスギスしたところがなく、それだけ動物たちにもやさしく接しているような気がします。花畑を見ながら延々と走り続け、山道に揺られ、いよいよベルベル人が暮らすアトラス山脈の村に到着です。

ここは標高2500メートルほど。石の家が点在し、潅木に洗濯物が干してあります。村には井戸があり、女性たちが水を汲んだり洗濯をしに集まってきます。おしゃべりに花が咲き、まさに井戸端会議といった風情。羊たちも水を飲むために川へと連れられてきます。モロッコには城塞都市があり、至るところにカスバと呼ばれる泥土を固めた要塞が残っていますが、ここで見たカスバは、てっぺんにコウノトリが巣をつくっていました。小さな雑貨屋兼喫茶店に入って休憩。ミントティーをオーダーしたら、お砂糖たっぷりのお茶が出てきました。村ではホテルに泊まったのですが、シャワーも使えないありさま。気を取り直し、いよいよ明日から本格的に撮影開始です。
(岩合光昭 談)

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