撮影取材記:ナミビア 第1話・第2話

岩合さんが世界各地で撮影した動物たちの写真レポートです。国・地域別でご覧いただけます。

AFRICA Namibia 第1話 プロローグ 圧倒的スケールの自然が待つ、ナミビアへ。これが、撮影ルートだ。

2011年7月、僕はナミビアの撮影取材を行うことにした。32年ぶりのことだ。ナミビアはアフリカ大陸の南西に位置する国で、地球の中でも特筆すべき大自然が息づいている。ナミビアのシンボルともいえる、赤い砂漠として有名なナミブ砂漠。さまざまな動物たちが水を求めて集まる平原、そして、この一帯だけに生息するペンギンがいる豊かな海…。再び、あの圧倒的スケールの自然を体感できると思うと、胸が高鳴る。

岩合さんのナミビア取材ルート 2013年 OLYMPUS/WWFカレンダーより

僕は次のような撮影ルートを計画した。まず首都のウイントフックから、アフリカ南部だけに生息するケープペンギンのいるハリファックス島へ。そして、そこから北上して、今回の撮影取材の最大の目的であり、最も撮影の難所と思われるナミブ砂漠へ。さらに北上し、ミナミアフリカオットセイの一大コロニーがあるケープクロスへ。次は、川底が干上がった一帯へと向かい、アフリカゾウのなかでも乾燥地帯に生息するデザートエレファント(砂漠ゾウ)にぜひ会いたい。そしてラストは、内陸のエトーシャ国立公園。多種多様な野生動物たちが一堂に見られる場所は、世界でもここをおいて他にはないと言われている。さあ、1ヵ月近くにわたってのナミビア撮影取材が、いよいよ始まる。

岩合さん

第2話 ハリファックス島-1 ケープペンギンのすむ、ハリファックス島に上陸。

ナミビア撮影取材の開始は、大西洋沿岸海域に浮かぶ小さな島、ハリファックス島から。この島は、アフリカ南部にだけ生息するただ一種のペンギンであるケープペンギンの繁殖地となっている。首都ウイントフックから四輪駆動に揺られて、ハリファックス島の対岸の港町リューデリッツへと向かう。ウイントフックを出発したのは早朝だったのに、着いたら夕方になっていた。翌7月3日、いよいよ撮影取材スタート。夜明けに、リューデリッツから船で1時間くらいの沖合に出て、そこからボートに乗り換え、めざすハリファックス島に上陸する。端から端まで見渡せるぐらいの、小さな小さな島だ。ペンギンの研究者が同行しているのだが、ペンギンには何メートル以内に近づいてはいけないと、この島のルールを言い渡される。「でも、ペンギンの方から近寄ってきたら、どうするんだい?」と僕が聞き返すと、「その時はそのままにしていればいい。」という返事だった。

ケープペンギン ケープペンギン ケープペンギン
ケープペンギン ケープペンギン

海岸の向こうの方にある営巣地から、ペンギンがぞろぞろと海岸めざしてやって来た。まるで小学生の集団登校みたいだ。鳴き声を出すのもいて賑やかだ。ペンギンたちは僕のことを、はじめのうちは警戒している様子だったが、このヒト何もしないとわかったのか、そのうち無視するようになった。

ケープペンギン

▲ページの先頭へ